NPO法人スマイルリング
親を頼ることができない若者たちが
社会の中でひとりにならないために
スマイルリングは、北海道帯広市を拠点に、児童養護施設や少年院を出た若者や、親を頼ることが難しい若者たちに寄り添う団体です。2024年4月の児童福祉法改正により、児童養護施設や里親家庭などを離れた若者への支援は、年齢で一律に区切るのではなく、本人の状況に応じて継続できるよう見直されました。自立援助ホームなどを活用しながら、住まいや就労の支援を受け、必要に応じて生活困窮者自立支援制度、障害福祉サービス、生活保護、医療や就労支援など、成人後の制度へつないでいくことが想定されています。
しかし、多くの若者たちは、18歳で自立を迫られているのが現実です。特に少年院を出た若者たちの場合、困ったときに相談できる大人が側におらず、住まい、食事、仕事、人間関係などでつまずいたとき、戻れる場所がないことが、孤立につながってしまいます。
スマイルリングの活動の中心を担うのは、堀田豊稔さん、野々村千晶さん、河原崎拓也さん。その周囲に仲間たちが集まっています。若者たちの暮らしに寄り添い、彼らの声を聞き、必要なときには手を差し伸べ、すぐに答えが出ない時間にも寄り添い続ける人たちです。
活動は、シェアハウスの運営や食料支援、相談活動など、暮らしに近いところから始まります。けれども、そこで支えられているのは、生活だけではありません。失敗しても関係を途切れさせず、何度でも声をかけ続けること。自分のことを気にかけてくれる人がいると感じられること。スマイルリングは、若者たちが「孤立」ではなく「自立」へ向かうための、家族のような関係を地域の中につくり続けています。
非行や犯罪により少年院を経験した若者たちを支援することについては、さまざまな意見があると思います。被害を受けた人がいる場合、その存在を軽んじることはできません。ただし加害者となった若者たち自身も、家庭や身近な環境の中でトラウマや傷を背負った、被害者としての過去をもつことも少なくありません。また、薬物など、直接の被害者が見えにくい問題もあります。いずれの場合も、若者を孤立したまま社会に戻してしまうことで、同じことを繰り返す可能性があります。だからこそ、住まい、食事、仕事、相談できる大人が必要です。支援とは、過去の行為をなかったことにすることではなく、社会の中で生き直すための土台を、ともにつくることだと考えています。
シロ財団が大切にしたい居場所づくり。それは、「自立」を目指すときに、本人の努力だけに委ねるのではなく、社会の側に、何度でもつながり直せる場所をつくること。支援する側とされる側を固定するのではなく、時間をかけて関係を結び直していくこと。そして、その関係を支える人たちと、私たち自身も継続的に関わり続けること。スマイルリングの活動は、その必要性を私たちに教えてくれます。